In vino veritas(酒に真実あり) PISPORT〜SBRB〜 

2007Ironman World Championship

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参加者:高尾の鉄人、まま、アイアンギャル、すこっとさん
報告者:すこっとさん
サポート:ぱぱ、みるくさん

 <10月13日 レース当日>

 朝3時30分に起床。
 時差ぼけが治らず、夜中に一度目を覚ましたけど、起きた時の感じは悪くない。

 日本から真空パックのお赤飯と味噌汁を持参してきたので、それを朝食に。
 あまり食欲は無かったけど、スタートまでまだ時間はあるので無理をしない程度に食べておく。

 4時45分から、ボディーナンバリングと最終チェックインが開始されるため、補給食、ボトル、空気入れなどを持ってKKKBH(king kamehameha kona beach hotel)へ。

 
 

 ナンバーは腕にのみ。
 ナンバーを見るとだいたいのカテゴリーは分かりますが、左のふくらはぎに更に年齢が書かれます。

 トランジッションエリアまでYママと一緒に行く。
 途中、絵プロと会いました。
 調子が良さそうな顔♪

 
 

 一旦ホテルへ戻り、朝食の続き。
 ストレッチなどをして気分を落ち着かせる。
 特に緊張もせず、良い感じ・・・

 6時過ぎ、再びスタート会場へ。
 選手約1800名、さらにメディアや選手家族、観客などで物凄い人の数。

 
 

 プロスタートの6時45分前、アメリカ国歌斉唱。
 アカペラでの歌声に、聴いていて鳥肌がたちました。

 その直後、大砲の合図とともにプロスタート!

 

 時計を見ると、まだ6時43分。
 あれっ!案外時間にルーズ??

 スタート地点は100mほど沖にあるのでそこまでアップを兼ねて泳ぐ。
 スタートはフローティングなので、10分近く立ち泳ぎ。
 ここですでに体力を使ってしまっているような・・・

 自分のスタート位置はほぼ真ん中。
 一番前からスタートしようと思っていたら、側にいた知人から「後ろから物凄い勢いで人が来るよ」と教えていただき、ちょっと下がる。

 そんな感じでスタートを待っていたら、いきなり号砲!
 時計を見たら、6時58分。
 やっぱり時間が合っていない(笑)

 

 案の定、最初から大バトルの始まり。
 日本と違い、マナーは悪くないので、背中を押されたり沈められたりはないけど、頭を殴られ、体中がぶつかるの連続。

 外国人の身体が大きいから、彼らにしてみれば大したことがないかもしれないけど、私には相当のダメージ。

 コースは、沖に浮かぶ船を回って折り返してくる3.86km。
 試泳の時には沖に向かうときに流れが強く、うねりを感じていたけど、レース中はあまり感じない。

 結局、折り返しの船に着くまでずっとバトルに巻き込まれたまま。
 船に到着した時に時計を見たら7時40分。
 このままだと1時間20分かかる・・・ちょっと遅すぎ。

 帰りは流れが逆向きになるのと、人が分散してきたのでやっと自分のペースで。
 なんとか自分と同じレベルの人を探そうとしても、なかなか見つからず、身体が大きい分、ひとかきが違うのか、すぐに 置いていかれてしまう感じ。

 右呼吸の際に見えたフアラライ山の山頂には雲ひとつ無く、今日は暑くなりそうだな・・・と泳ぎながら思った。

 そんなことを考えながら泳いでいたら、スイムゴール近くにある巨大ゲータレードボトルが近づいてくるのが見え、ペースアップ。

 1時間10分42秒でスイムフィニッシュ。
 折り返しの際に見た時間が合っていれば、行きが42分、帰りが28分で泳いだことになるけど、どう考えても絶対にそんなことはないと思う・・・

 BIKE BAGを受け取り、更衣室へ。
 ここでは選手1人にボランティア1人が付いてお世話をしてくれます。
 着替えも手伝ってくれて、まさに至れり尽くせり!
 日焼け止めまで塗ってくれます。

 IMコリアではフラスクを持たずにバイクをスタートさせるという大失敗をしているので、今回はトランジッションBAGの中に入れておき、ちゃんと持ってスタートすることができました。

 コースは始めにカイルア・コナの街中を10kmほど。
 もちろん沿道には観客がビッシリ!!
 QueenKに出て行く手前のKONA Coast S.C.前の坂では、まさにツールの山岳コース並みに観客が沿道を埋め尽くしてます。
 嫌でも盛り上がっちゃうね〜

 でもカイルア・コナを過ぎQueenKに出ると、一気に観客はいなくなって、自分と風との闘いの始まり。

 エイドステーションは8km毎にあり、置いてあるものは水、ゲータレード、コーラ、バナナ、パワージェル。
 私にはこのゲータレードが曲者でした。
 バイクコースのエイドにはオレンジ味しか置いてなく、これがかなりの甘さ。2口も飲むと嫌になってしまうのです。
 自分で用意しておいたボトルの中身はCCDなので、後半に備えるためにもあまり手をつけたくなかったのですが、仕方ない・・・

 私がバイクコースで一番感激したのは、エイドでのボランティアのボトルの渡し方が上手なこと!!
 本当に上手です。
 こちらがスピードを落とさなくても、決して落とすことなく受け取れます。それも大人だけでなく、子供でも。
 慣れているのか、練習しているのか、全てのエイドできちんとボトルを受け取ることが出来ました。
 そして、中身もちゃんと冷たいものが入っています。

 QueenKをひたすら北上し、空港も過ぎると回りは溶岩台地の景色。 (写真がなくて残念だけど)
 ほとんど景色が変わらなくて、かなり飽きてきます(笑)

 ワイコロアやマウナ・ナニリゾートエリアでは少しだけ観客もいますが、それ以外は全然いなくて、8km毎のエイドがひたすら待ち遠しい。

 Hawiへの坂が始まる手前、マウナ・ケアリゾートエリアの辺りで、Nコーチの姿が。
 声を掛けてもらうまで気づかなかったけど、日本語で応援してもらえるのがとても嬉しかった!
 観客の中で日の丸を出して応援してくれている人たちがいると、日本にいるときには何の思いも無い日の丸にさえ感激。

 そしてここからがコース一番の難所。
 Hawi折り返しまで続く約25kmの上りの始まり。
 勾配はそれほどでもなく、インナーを使わなくても平気なのですが、正面と横から来る風の連続に、車体ごと身体が斜めに。

 それにしても海外勢は強い!
 坂も風も無いかのようにサクサク走っていきます。
 体型や年齢を見ると、どうしてあんな人が速いの?と思う始末。
 更に自分のメーターが時速11km/hまで落ちているのをみると益々落ち込みそうに・・・

 この坂で、自分がカテゴリーでビリになるんじゃないかと思うくらいの人数に抜かれました。

 72km地点で男子のトップとすれ違い、その後80km地点で日本人男子トップのK原選手とすれ違いました。
 向こうは下りだから当然なんだけど、追い風に乗ったスピードが凄まじい!!

 その後、女子のトップとすれ違いましたが、絵プロの姿は発見出来ず。

 105km過ぎ、ようやくHawiの折り返し。
 ここからは追い風だ!と思って楽しみにしていたのに、それは一瞬で終わって、下りなのに漕がないと進まないという向かい風状態へ。

 いったい、この風はどこから吹いてくるの???

 どこに行っても向かい風で、コナ・ウィンドを思いっきり浴びてます。
 ゴール後に聞くと、今年はここ数年の中でも風が強かったとのこと。

 帰りのQueenKは再び単調な景色と風を我慢しながらの走り。
 もう抜いてくる同カテゴリーはほとんどいなくて、日本人男子や年配の人ばかり・・・

 空港を過ぎ、Energy Lab.に来ると男子トップがランを折り返しているところでした。
 ここまで来ると残りは8kmほど。
 なんとか気持ちを振り絞って、バイクフィニッシュへ。

 コナの街に戻ると沿道にはやっぱりたくさんの観客。
 みんなが応援してくれているのを肌で感じます。

 6時間20分24秒でバイクフィニッシュ。
 IMコリアと比較してタイムはそれほど悪いと思っていなかったのに、順位はかなり下。

 RUN BAGを受け取り更衣室へ。
 またボランティアが1人付いてくれて、お世話をしてくれます。
 冷たいタオルを首にあててくれたり、本当に感謝!

 ランスタート。
 9月に体調不良で一ヶ月走っていなかったので、どこまで走れるか正直不安でしたが、思ったより足取りは軽く、順調な走り出し。
 ランコースも始めはカイルア・コナの街中を走ります。

 エイドステーションはほぼ1マイル(1.6km)毎。
 水、ゲータレードのレモンライム味(これは飲みやすい)、コーラ、氷、パワージェル、バナナ、オレンジの他になぜかプレッツェル。
 これ、走りながら食べられるのかな〜?食べている人も見なかったけど・・・

 AliiDr.をケアウホウの第一折り返しまで約8km。
 この辺りは日陰も多く、気温は高めでも空気が乾燥しているので、走りやすい感じ。

 沿道の観客も途切れないし、日本語の応援も聞こえるので、気持ちも切れることなく走れました。

 折り返し後、カイルア・コナに戻ってくるとKona Coast S.C.前のランコース一番の坂でNコーチや日本から来た緑のチームの人たちの応援。
 東京Vの旗を出して応援してくれました。
 Nコーチから「これから気温が下がるから走りやすくなるよ」とアドバイスをもらい、写真を撮ってもらってから、再びスタート。

 ここからはバイクコースと同じQueenKを第2折り返しのEnergy Lab.まで。
 途中、日本人女子トップのI泉選手とすれ違う。その1分後に絵プロとすれ違い声を掛ける。

 Energy Lab.は暗い時に走ると何も見えないよと教えてもらっていたので、なんとか明るいうちにここは通り過ぎたい。  午後5時過ぎ、Energy Lab.到着。
 預けていたスペシャルを受け取り、BCAAとパワージェル梅味を摂取。

 このパワージェルの梅味、最高に美味しく感じました。
 今回、バイクも含めてジェル系補給食はパワージェル梅味だけにしておいたのですが、私には合っていたみたい。

 Energy Lab.を明るいうちに抜け出し、再びQueenKへ。
 ここからは残り8kmほど。
 計算すると、12時間は切ることが出来そうだと思い、気が楽になる。
 最初の目標だったIMコリアの時のタイムより上回れそう・・・

 午後6時。
 海に夕日が沈んでいくのがはっきり見えて、気持ちが込み上げてきた。

 暗くなる前にゴールしたいなと思ったけど、陽が沈むと途端に周りが暗くなり始める。

 帰り道、すれ違ったYママやアイアンギャルさんとお互い声を掛け合い、カイルア・コナの街へ。

 街中へ入ると沿道の観客がみんな「Good Job!!」と声をかけてくれる。
 残り2kmくらいであまりの感激で泣き始めたら、息ができなくなり一気に正気に戻る。
 
 AlliDr.に入りゴールゲートが見えたときも必死に泣くのを我慢して、笑顔でゴール!!

 ランタイム3時間59分44秒
 総合タイム11時間41分51秒

 ゴール後、ボランティアの女性2人に身体を支えられた途端、気が抜けて涙が・・・
 もうここからは泣きっぱなし。

 休憩所まで運ばれる間、延々と泣きました。

 やっと落ち着いた後、フィニッシャーTシャツやメダルを受け取り、また、意外と体調は平気だったので、直ぐにバイクを受け取りホテルへ戻る。
 シャワーを浴び、部屋で軽く食べてからまた会場へ。

 ゴールゲートの前で応援していると、知人達がゴールしてきて、ハイタッチ!!

 知人が全てゴールしたのを見届けてからNコーチや絵プロと合流し、食事へ出かける。
 自分が思ってた以上に身体が元気なのに驚く。
 9月に1ヶ月休んだのは正解だったみたい・・・

 
 制限時間17時間近くになると、もうゴールする人はほとんどいなくなるけど、ゴールする人がやってくるとゲート前は最高の盛り上がり!!

 
 

 そして制限時間の17時間が経過。
 照明が落とされ、IMハワイの一日が終わりました。

 今年初めて挑戦したIMレース。
 最初はもちろんハワイへのクオリファイを獲得することが目標だったし、実際に獲得してそれで満足だと思ったけど、実際にレースを終えてみると、出るだけで満足してはいけないんだと感じました。

 今回のレースで私のカテゴリー順位は36位/71人中。
 世界のレベルの高さを思い知らされたレースでした。


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